汝、志を一にせよ。〜荘子〜
心斎坐忘
【はじまり】
高野山の宿坊に籠もり、氣の合う経営者とともに理念研修に臨んだことが、すべての始まりでした。
しかし──心が真に定まったのは、ヒマラヤ奥地・ブータンでの体験です。
電線すら届かぬ深山で、私はふと気づきました。
「電気にも音がある」──と。
文明の奥に潜んでいた目に見えぬ“ざわめき”を、私はその時あらためて聴いたのかもしれません。
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【重なり】
森の中のホテルでは、朝早く、澄んだ水の流れや風にそよぐ葉の音、
小鳥のさえずりがやさしく目を覚ましてくれる。
淡く焚かれた香に包まれたライブラリの奥、
気配を察したスタッフが、静かにお茶を置いてくれる。
深くゆったりとした呼吸の中で、ただ、そこにある自分。
その感覚は、高野山で幾度となく触れた静けさと同じ響きでした。
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【結び目】
今にして思えば──これこそが内なる旅“心斎坐忘”の入り口でした。
時代に共鳴する理念を編むということは、
“内なる自己と調和する旅”でもあります。
静けさの中から、ひとりでに立ち上がってくる核となるもの。
ゆらぎと混沌の中で、信念に問いかけながら出会う
秘められた強みと、世の未開拓の可能性が結ばれる点。
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【祈り】
私たちは、そんな静かなる旅路に寄り添い、
此岸と彼岸をつなぐ“橋”でありたいと願っています。
── 村上 寛和