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【4K】世界遺産 京都・東寺 五重塔(国宝)〜師走の煤払いと東寺参拝に寄せて— 1200年の文脈から「掃除」を見つめ直す —〜

師走も中旬に入り、街の空気もどこか慌ただしさを帯びてきました。

年末の気配が濃くなるこの季節、私たちの暮らしには古くから続く「煤払いすすはらい」という行事があります。

■ 煤払いの起源と歴史

 

煤払いは、毎年12月13日前後に神社・仏閣をはじめ、職場や家庭でも行われてきた日本の年中行事です。

その歴史は諸説ありますが、記録として明確に確認できるのは 平安時代

宮中の年中行事を漢文でまとめた『延喜式えんぎしき』(10世紀前半)に、「煤掃」という儀式が記載されており、旧年の厄を祓い、新年に年神様を迎えるための準備として行われたとされています。

時代を経て、室町時代には神社仏閣で仏像や本堂を清める行事へと発展し、

江戸時代になると庶民の生活習慣として広く定着しました。

私たちが年末に行う「大掃除」には、こうした 千年以上の歴史的文脈 が連なっています。

現代では、クリスマス後の慌ただしい時期にまとめて行う「年末の作業」として扱われることも多いですが、

本来の煤払いは 12月前半〜後半にかけてゆっくりと時間をかける、儀礼的で精神性の高い行事 でした。

 

古事記の序文に出てくる言葉に“稽古照今けいこしょうこん”という言葉があります。

 

古きを学び、今を照らし合わせるという意味。

 

私たちが何気なく行っている大掃除も、歴史の背景にある意味を知れば、見え方が大きく変わるのかもしれません。


 

■ 東寺を訪れて

 

そんな12月の初旬、紅葉を観るついでに京都・東寺(真言宗総本山/教王護国寺)を訪れました。

その様子を映像にまとめましたので、ご笑覧いただければ幸いです。

東寺は、桓武天皇による平安遷都(794年)の際、西寺と並んで王城鎮護のために創建された官寺です。

都の南側に配置され、新しい首都の象徴とも言える存在でした。

遷都から29年後、嵯峨天皇は、唐から帰国した弘法大師・空海に東寺を託します。

ここから東寺は日本密教の根本道場としての歴史を歩み始めます。

高野山と並び、東寺は真言密教を成立させた“二大聖地”と言える場所ですが

身は高野 心は東寺に おさめおく — 空海

東寺御詠歌としても知られるこの句は、空海の精神の拠りどころが東寺にもあったことを示す象徴的な一節ですね。


 

■ 歴史に問いを立てる楽しさ

 

東寺の歴史や、当時の律令制から王朝国家体制へ移行する社会背景を辿ると、

“なぜこの時期に密教が必要とされたのか?”

“なぜ宮中儀礼や延喜式が整備されたのか?”

といった問いが次々と浮かび上がってきます。

 

それらの問いは、決して遠い過去のものではなく、

現代を生きる私たちの日常や仕事、社会のあり方を見直す手がかり にもなると感じます。

 

1200年続く儀式・儀礼の背景にある「人々の願い」や「時代の要請」を丁寧に辿ってみると、

日常の行為—たとえば掃除ひとつでさえ、まったく違う意味を帯びてくるようです。


■ 結び

 

年の瀬を迎える前のいま、

「なぜ掃除をするのか?」

「何を祓い、何を迎えようとしているのか?」

そんな問いを静かに抱きながら、ゆっくりと身の回りを整えてみるのも良いものです。

東寺の風景とともに、師走の一日をご一緒できれば幸いです。

 

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村上 寛和

株式会社WithUp代表取締役/思想編集家・映像作家

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