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【朝の習慣】古代インド・ヴェーダの叡智”ブラフマ・ムフールタ”

朝4時の奇跡 ― ブラフマ・ムフールタという時間

 

9月に入り、日中はまだまだ残暑が厳しいですが、朝は少し涼やかな風が肌に触れるようになってきました。こういう変化の瞬間って、なんだか心が整う感じがしませんか。

実は、古代インドには「ブラフマ・ムフールタ(Brahma-muhūrta)」と呼ばれる特別な時間帯があります。夜明け前のおよそ96分のこと。ヴェーダの伝統では「智慧が最も澄みわたり、生命エネルギーが調和する」とされ、瞑想や祈祷、学習に最適な時間だと考えられてきました。

言葉の意味〜ブラフマ・ムフールタ〜

ブラフマ(Brahma, ब्रह्म)

  • 語源は 「拡がる・膨らむ」(bṛh, बृह्) から。

  • 文脈によって意味が異なりますが、ここでは主に「最高原理」「宇宙の根本的な智慧・神聖さ」というニュアンス。

  • インド哲学では、人格神ブラフマー(創造神)ではなく、宇宙的な叡智や絶対的な真理を指すことが多いです。

👉 この場合、「ブラフマ」は「精神的に最も清らかな」「神聖な」といった形容の意味を帯びています。

ムフールタ(Muhūrta, मुहूर्त)

  • 時間を表す単位。古代インドの暦法で 1日を30分割したうちの1つ、つまり約48分を意味します。

  • もともとは「特定の吉兆の時間帯」「何かを始めるのにふさわしい時刻」を示す語。

👉 したがって「ムフールタ」は「時間」や「時刻」という意味になります。

ブラフマは「宇宙の根本原理」や「聖なるもの」を意味し、ムフールタは「時間の単位」で約48分を表します。

つまりブラフマ・ムフールタとは、「聖なる力が満ちる時間帯」という意味で、日の出前のおよそ96分を指すのです。

日本にも似た考え方がありますよね。寅の刻(午前3〜5時)に起床すると縁起がよく、健康運、財運と福徳、開運の恩恵が多いと言います。たとえば禅寺の「暁の坐禅」や、神社の「朝拝」。太陽のリズムに合わせて心身を調えるという点で、とても近いものです。つまり、これはインド哲学だけに限らず、人間に普遍的な知恵だといえるのでしょう。


ブラフマ・ムフールタにやりたい3つの実践

 

日記・モーニングページ

頭の中を言葉にして整理することで、心がすっきりと整います。朝一番に書いた言葉は、自分でも驚くほど率直で本音に近いものになります。

モーニングページとは、ジュリア・キャメロン著『ずっとやりたかったことを、やりなさい』で紹介されている創造性を回復するメソッドのひとつ。毎朝A4ノート3ページ、心に浮かんでくるものをそのまま書きとめるルーティンで、著者はこれを「脳の排水」と呼んでいます。

ただし、英語圏の1ページ(250〜300語程度)と、日本語のA4(800〜1,000字以上書ける)では分量の感覚がだいぶ違います。日本語で3ページやろうとするとかなりヘビーになるので、まずは1ページから始めても十分効果があります。クリエイティブな仕事をする人にとっても、朝のインスピーレーションを書き留める意味で、毎日続けるのとそうでないのでは”ネタ”の蓄積に大きな差が生まれると思います。


 

瞑想や坐禅

近年はZENブームもあり、海外のエグゼクティブが瞑想や坐禅を取り入れることも珍しくなくなりました。マインドフルネスの言葉も広く知られるようになっていますね。

坐禅に限らず、姿勢を正して静かに呼吸に意識を向けるだけで、思考が鎮まり、感情のざわめきも落ち着いてきます。わずか10分でも、その日一日の集中力や安定感に違いが出るはずです。

禅は武芸から生活文化にまで深く浸透してきた日本人の身体観・精神観の源流でもあります。地域の坐禅会などに参加して、文化として体感してみるのもおすすめです。


 

日の出掃除

古くから、日本の神道では“祓いに始まり祓いに終わる”というように、一日の始まりを朝日とともに掃除をするというのもいいでしょう。何より、身の回りを整えることは、心を整えることにつながります。手間暇がかかり過ぎるとイヤになって続きませんから、今朝は玄関とか床とか、と時間と範囲を決めてやるのがいいでしょう。朝の祓い、は意外なほど気持ちをリセットしてくれるものです。

あるいは、スポーツの秋、この時季は朝の空気も涼やか。外を歩いたりジョギングする方も増えると思いますが、近所のゴミ拾いや草引きなどをプラスするのもおすすめです。土に触れながら汗をかくと、天然のアーシングのような感覚を得られ、身体に溜まった余分な電気をデトックスするように感じられるかもしれません。


おわりに

 

「ブラフマ・ムフールタを生活の礎にする」と聞くと、現代人にとってはちょっと超俗的で非現実的に思えるかもしれません。確かに、いきなり夜明け前90分に起きるのはハードルが高いですよね。

でも、大事なのは完璧にやることではなく「少しずつ取り入れてみること」。たとえば週末だけ試してみる、まずは10分早起きしてみる。それくらいの軽やかさで始めて、気がついたら習慣になっていた――そんな形が一番いいのだと思います。

文明の利器に囲まれ、常に追われるように生きている私たちだからこそ、取り戻したい究極のリッチともいえる有意義な時間。それが「ブラフマ・ムフールタ」なのかもしれません。

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村上 寛和

株式会社WithUp代表取締役/思想編集家・映像作家

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