【THINK】日本人メジャーリーガーの第一原理思考
みなさん、ごきげんよう。
大寒の折ではございますが、
朝散歩していると道ばたに草が生え始めたり、
梅の花が咲いていたりを見かけます。
節分、立春はまだ1週ほど先になりますが、
冬と春のグラデーションを感じるのが楽しい今日この頃。
WBCに向けて、
大谷翔平、山本由伸をはじめ、
メジャーリーグで大活躍する日本人選手たちが、
次々と代表メンバーとして名前を連ねています。
結果だけを見れば、
「才能」「フィジカル」「努力量」
そうした言葉で語られがちです。
しかし、
彼らの言葉や取り組みを丁寧に追っていくと、
かのイーロン・マスクが提唱する第一原理思考にも通じる、
実はまったく別のところに軸があるのではないか、
ということが見えてきます。
それは、
いちばん下の階層に立ち返る
という姿勢です。
※第一原理思考
…ある物事を考える際、これまでの慣習や経験則を一度脇に置き、
その物事を成り立たせている最も根本的な原理から捉え直そうとする考え方。
物事がなかなか前に進まない。
同じ問題を何度も繰り返している。
努力しているはずなのに、結果が噛み合わない。
そんなとき、
私たちはつい「努力が足りないのではないか」と考えがちです。
しかし実際には、
努力そのものではなく、努力している階層がズレている
というケースは少なくありません。
ここで少し視点を変えて、
今や私たちにとって最も身近な存在となった
コンピュータに見立てて考えてみましょう。
コンピュータは、
・電源が入り
・電圧が安定し
・起動プログラム(BIOS)が正常に動作し
・OSが立ち上がり
・はじめてアプリが使える
という順序で動いています。
いくら高性能なアプリを入れても、
OSが立ち上がっていなければ意味がありません。
OSが正常でも、
起動プログラムや電源に問題があれば、
フリーズやエラーが頻発します。
人生や仕事、健康も、
実はこれとよく似た構造をしています。
身体に置き換えると、
おおよそ次のような階層になります。
・電源/電圧
呼吸、血流、体温、代謝、栄養、生活リズム
・起動プログラム(BIOS)
姿勢、重心、身体の使い方、原始反射
・OS
思考の癖、感情反応、価値観、世界の捉え方
・アプリ
仕事のやり方、スキル、テクニック、方法論
世の中に溢れている思想やノウハウの多くは、このOSやアプリ階層の話に留まっているので、食傷気味に感じるのかもしれません。
しかし、それらが機能する人がいるのも事実です。
しかしそれは、
基層部がすでに整っている場合に限られる
という条件付きであるにもかかわらず、私たちはつい表層部のアプリ層に目が取られてしまい、そこを改善することばかりしてしまいかねません。
もし問題が、
さらに下――
身体というデバイスそのものや、
その初期設定にあるとしたら。
いくら優れた方法論を学び、
いくら努力を重ねても、
上達どころか、望まぬ結果しか出ない、
ということは十分に起こり得ます。
ここで、山本由伸投手の話に戻りましょう。
彼は「ウエイトトレーニングをしない投手」として
よく知られています。
では、代わりに何をしていたのか。
それは、
・正しい立ち方
・重心位置の修正
・歩く、立つ、坐る、臥せる
といった動作の再定義です。
一見すると、
禅や古武術、あるいは能のような身体観に通じる話にも見えますが、
本質的には、
運動の基礎となる起動プログラム(あるいはOSの核となっているカーネル)の修正に他なりません。
運動には、
立つ → 歩く → 走る → 投げる
という明確な階層構造があります。
重心がズレたままでは、
積木が崩れないよう無理に支えるのと同じで、
余計な筋力と緊張を常に消費することになります。
骨が重力の上に正確に乗った、
いわゆる「ゼロポジション」に立てたとき、
筋肉は姿勢保持の役割から解放され、最も動き出しやすい状態になります。
さらに、
身体を部品の集合としてではなく、
全身が連動する一つの流体として使う。
魚が泳ぐような脊柱の波動、
鞭や釣り竿のようなしなり。
脱力しているからこそ鋭い反射が生まれ、
エネルギーはロスなく、
正しい方向へと伝わっていきます。
これは、
筋力を「足す」話ではありません。
基層部を整えた結果、自然に立ち上がってくる現象です。
問題が解決しないときこそ、
一段下へ。
さらにもう一段、下へ。
「もっと頑張る」前に、
**「正しく起動しているか」**を確認する。
正しいアプリを探し続けるのをやめ、
基層部に立ち返る。
そして最後に、
山本由伸投手のこの言葉で締めたいと思います。
「体を整えて、正しい方向に力を伝えるということだと思います」
足すことより、整えること。
上に積む前に、下を観ること。
基層部に立ち返る。
それが、遠回りに見えて、
実は最も確かな近道なのかもしれません。
私のような浅学非才な人間が、
メジャーリーガーの皆さんを引き合いに出すのは僭越ですが、
「彼らもやっているから、我々も」という話ではありません。
彼らが今、日本に、そして世界に示唆してくれていることを学び、
それを人生や仕事に、ほんの少しでも活かせたなら――
そう願ってやみません。
WBCでの侍JAPANの活躍が今から楽しみです。







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