【季節便り】小寒と人日の節句
みなさん、ごきげんよう。
正月明け、
二十四節気の「小寒」を迎え、
一年で最も寒さが深まっていく時季に入りました。
本日は、五節句のひとつ人日の節句 です。
この日の朝に
「春の七草(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)」
すべてが入った七草粥を食べると、一年を無病息災で過ごせるとされています。
七草粥は、飲んだり食べたりで乱れがちな正月の食生活で疲れた胃腸にやさしく、
免疫バランスを整え、肌荒れを戻すのにもよいとされています。
今日に限らずですが、暦は「守るもの」というより、日常に戻るためのきっかけのようなもの。
正月気分もこのあたりにして、お粥に味噌汁、
消化によく栄養バランスを整えるためのおかずを一、二品添えながらの
慎ましやかな食事に戻しておきたいものです。
少し視点を広げてみます。
味噌や醤油、酒などを一年で最も寒い時期に仕込む
「寒仕込み」 というものがあります。
この時季に汲んだ清らかな「寒の水」を使い、
低温の中でゆっくりと発酵させることで、雑菌が入りにくく、
味に深みのあるものに仕上がるといわれています。
急がず、無理に温めず、ただ静かに時をかける。
何かを「始める」というより、まずは調える。
余計なものを抜き、芯だけを残す。
春夏、外へ外へと動き、秋に一年の実りを受け取る前の、
静かな仕込み、初期設定の時間ともいえるのではないでしょうか。
ちなみに、
二十四節気や五節句は元々中国由来で宮中に伝えられ、日本の伝統文化になっていますが、
もともとは月の満ち欠けのリズム、つまり太陰太陽暦をもとに作られています。
現代の私たちが使っている
グレゴリオ暦とは、
本来、日付が一致しません。
女性の月経が象徴するように、
私たちの身体は月のリズムの影響を強く受けています。
旧暦では新月が始まりですので、
本来の日本の正月(旧正月)は今年でいえば 2月17日。
人日の節句もその7日後、新暦では2月23日前後 にあたります。
一方、現在の暦は、戦後の日本が採用した行政上の便宜によるもの。
社会生活としてはこちらに慣れていますが、
私たちの身体の感覚に寄り添っているかというと、必ずしもそうとは言えません。
自分や、自分の大切な人の身体のこととなりますと、
時代ごとに変わる便宜よりも、長い時間をかけて一定の律動を保ってきた天体や自然のリズムに、
あらためて耳を傾けてみてもいいのではないか。私はそう思っています。
ということで、
正月気分もこのあたりで一区切り。
寒の水で、静かに仕込むように。
日常へと、ゆっくり戻っていきたいと思います。







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